前回のロレックス通信では、新型コロナウイルスの猛威がロレックスの実勢価格にも影響を及ぼしはじめたことについて触れたが、今回は、それによる今後の経済情勢で最近よく比較されるリーマン・ショックについて、参考までに当時のデイトナの状況を、筆者が刊行している高級時計専門誌“パワーウオッチ”で2010年7月に取り上げた特集記事「デイトナがついに90万円台に突入」をもとに振り返ってみたいと思う。
高級時計専門誌“パワーウオッチ”で2010年7月に取り上げた記事。デイトナのステンレスモデルが下落したことを受けて急遽組んだ特集だ
2008年秋に起こったリーマン・ショック。それに端を発した世界的な経済不況は日本経済にも大打撃を与えた。とりわけその中心にあるアメリカ経済を立て直すために取られたのが“ドル安政策”だった。当然のごとく円高が加速。それによって日本企業の業績が次第に悪化、赤字になる企業が続出し、リストラや派遣切りが行われて社会問題化したことはみなさんも記憶に新しいのではないか。もちろん高級腕時計市場にも多大な影響をもたらした。
さて、そんな当時のデイトナの状況をリーマン・ショック前後も含めて振り返ってみると、グラフ(1)からもわかるように、07年頃を境に実は世界的な好景気を受けて全般的に右肩上がりに高騰していた。ロレックス コピー特に08年はリーマン・ショック直前の8月に、ちょうど北京オリンピックが開催されるなど中国市場が活況を呈していたこともあって、新興国の需要が全体的に大幅に伸びていた時期だった。
グラフ(1)/2006年から2010年におけるデイトナの各モデルの実勢価格の推移(各年度11月時点での安値相場)
そのためリーマン・ショック直前までは、日本国内の並行輸入市場においても流通量が激減し、最も人気の高いオールステンレスタイプ(旧型Ref.116520)の実勢価格は、当時の国内定価(消費税5%で99万7500円)よりも約50万円も高い140万円台半ばから後半と当時としては過去最高を記録していたのである(グラフで07年よりも08年が若干下がっているのはリーマン・ショック後の11月時点の相場に他の年度と揃えたためだ)。
しかし、リーマン・ショック後はその状況も一変する。軒並み暴落を始め09年1月には一時的とはいえ100万円を切るデイトナが流通するなど業界を驚かせた。一説によると、当時オーストラリアドルが暴落したことにより、そのルートを使って通常よりも安く仕入れられた個体だけに限って起こった現象だったようで、事実それも2〜3週間で収まり、値を戻している。
ただ、値を戻したといっても105万円前後。前年(08年)の11月に135万円(グラフ1)だった実勢価格は、結果的にわずか2カ月あまりで30万円近くも急激に下落したことになる。
09年は、その後も105万円ぐらいを境に、多少上下はあるものの年間を通じて安定して推移していた。しかし、10年になるとその状況が再び一変する。グラフ(2)を見てもらいたい。その年の2月頃から少しずつ値下がりを始め、5月下旬にはついに100万円をまたもや切ってしまったのである。
グラフ(2)/2010年1月から7月までの6カ月間におけるデイトナの旧型ステンレスモデル、Ref.116520の実勢価格の推移
そして7月時点での安値相場は何と96万円前後と5月時点よりもさらに値下がりしていることがグラフからもおわかりいただけるだろう。つまり、あの人気の象徴であったデイトナの黒文字盤が、国内定価を下回る価格でも買えた時期があったのである。
この原因について当時の記事では、「為替レートが円高に振れていることと、急激なユーロ安に加えてヨーロッパ経済の落ち込みによりシェア率の高かったヨーロッパでの需要減が影響しているのではないか」と専門ショップのコメントを載せている。
さらに誌面では「いまや(当時)デイトナも正規店に多少出回るようになっていると言われている。世界的な需要の落ち込みにより、製品自体が市場にだぶついてきたことが原因なのかは定かでないが、今回の値下がりに少なくともこの流通量も関係していることは否定できない」としている。
そしてこの状況は11年6月まで、何と約1年間も続いたのである(白文字盤は12年までの2年間も定価以下で買えた)。スーパーコピーこのリーマン・ショック以降からの下落は、ロレックスのほかのスポーツモデルもそうかというと、それが際立つほど安くなったわけではなかった。当時はそもそも現在のようにほとんどのモデルがプレミアム価格という異常な状況ではなかったこともあるのだろう、あくまでもデイトナだけに限ったことだったのである。
今回も大幅に下落したのは、GMTマスターII(青赤ベゼル)とグリーンサブ、そしてデイトナと、三つともに異常に高騰している人気モデルという意味では似ている。ただ、リーマン・ショックと今回はまったく性質は違うものの、当連載の前回記事でも触れたように、消費の停滞という意味では状況はさらに厳しいのかもしれない。そう考えると特にこの3モデルについては、今後も不安定な状況はさらに続きそうな気がするのだがいかがだろうか。
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